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君たちはどう生きるか 完全ガイド3巻

 

あれは夏子おばさん?と思いながらも、矢の製作を続けます。


羽根にアオサギの羽を使います。


矢が完成し、さっそく試し打ちをしようと、弓を引くと。

羽根が動き出します。まるで飛びたくてしょうがないかのように。


そして矢がビュッと勝手に飛んでいきます。


矢はまるで羽で飛ぶかのように。勢いよく壁に突き刺さります。

バイ~ンと震える様子を絵に加えて描いてみました。


唖然とする眞人。


深く刺さった矢を抜き、矢を手直しする。その時に手が机の上の本に当たりバサバサッと崩れ落ち


床の本を片付けていると。1冊の本が

母のひさこが書いたものです。昭和12年。

太平洋戦争は開戦が16年です。ひさこが亡くなったのは戦争3年目ですから18年です。なぜ亡くなる6年も前に書いたのでしょうか。この本を眞人が読めるぐらいの歳になればひさこが自分でこれを読みなさいと言えばいいはずです。でもそれができないことはひさこにはわかっていました。だいたいいつ頃自分が死ぬのか知っていたのです。どうして知っているのかは、この先に明らかになります。


母さんが僕あてに残してくれたんだ。


この場面、とてもいい音楽が流れています。


お母さんの思い出が涙になって溢れます。



「奥さま~」「奥さま~」


「どうしたの?」「奥様がお部屋にいらっしゃらないんですよ」

「僕も行く」


「さっき森のほうへ行くのを見たんだ」「お嬢様が?」

「随分前だよ。まだ明るかった。森の中に行ったんだよ、きっと。」「今日はアオサギがいないんだ。変だよ。行こう」「えっ」


「もう戻りましょうよ。お嬢様がこんなところへ来るはずありませんよ」「来たくて、来たんじゃないと思う」

つまり夏子の意志ではなく、弱っている心につけこんで眞人を呼び寄せるために操られていると言っているのです。



明かりが灯る瞬間を描くために全点灯を描いてから、明かりを消していきました。

門にはFecemi la divina potestate と書かれています。きっと何か意味がると思い調べましたら、四世紀初めに書かれた、イタリアの詩人ダンテの「神曲」地獄編からの引用だとわかりました。

意味は直訳では私に神聖な力を与えてくれたですが、聖なる威力、比類なき智慧という風に解釈するようです。そこからこの門は地獄の門だとわかります。地獄編の一説に「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」とあります。ダンテのいう地獄とはどこを言っているのか。

私の解釈はこれ以上の快楽、強欲、堕落の追求(文明の発展)の行く先は地獄しかないということ。今の私たちの現在を言っているのかと思いました。違うかもしれませんが・・

もうジブリの域を超えていますね。見た人がほぼ気づけないような仕掛けがたくさんあります。


「罠ですよ。罠」

今の世が地獄でも、自分まで暗くなってはいけないと思う。

今日スイーツを食べておいしかったのなら、地獄でこんなにおいしい物食べちゃっていいのかしらと、プラスに考えれば、引っ張られることはないでしょう?


「サギ男。僕は来たぞ。夏子さんを返せ」


「お待ちしておりましたぞ。さあ、どうぞ」


「おばさんは戻って。僕は行く」


「行っちゃならん!。棟の主の声なんぞ私らには聞こえねえ。お屋敷の血をひく者にしか聞こえねえんだ」


「じゃ、僕が行くしかない。夏子おばさんを取り戻さなきゃ」「だめです!!。あなたは夏子お嬢様がいないほうがいいって思ってるでしょう。それでも行くなんて、おかしいよ」「かあさんが生きているというんだ。嘘に決まっているけど。確かめなきゃ」

眞人は夏子がいなくなればいいと思っているでしょうか。作品内で眞人が夏子を嫌っているような描写はありません。夏子が落ち込んだのには眞人のケガが関係しています。その責任も感じているでしょうし、それよりもお母さんの妹ですから。嫌いとは思わないでしょう。そう私は思います。キリコばあさん達はそう思っているようですが。


私は山とか木を描くのがヘタで苦手でした。これは初めて少しうまく描けた気がします。全ての場面が難しく、すべての場面が新たな挑戦です。ジブリ作品を描いているとどんな絵でも描けるように自然となります。この絵は自分の実力を90%ぐらい出した絵です。その上限はまだ上がっていきそうです。


ガラガラガラ・・・・・門が閉まっていきます

入り口の壁には大量の本が保管されています。上部から砂埃が落ちる様子があり、それを表現しなければいけません。影や光の光沢など、かなり細かく描かれていて、今までのジブリにはない手の込みようです。こだわりが詰め込まれた映像が作られているのがわかります。


ドスン!!  門が閉まります。そして  


石の彫刻が・・・・グ、グ、グッ


ムクムクと膨らみ


バッサバッサ

 


3巻終了 4巻は「お母さん!!」

 

 

 

こんな素晴らしい作品を残してくれた宮崎監督、ジブリスタッフに心から感謝します。

 

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